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 リュウキュウノコギリクワガタ種のことを少し考えてみました。 
 アマミノコギリ、トカラノコギリ、トクノシマノコギリ等は、リュウキュウノコギリクワガタ種(以下、リュウキュウノコ種)に属します。彼らを飼育する上での注意点などを考えていきます。 
 自然界における生態(予想) 
 
  
    | 月 | 本土気温 | 南西諸島気温 | 国産カブト | 本土ノコ | リュウキュウノコ |  
    | 4月 | 10℃〜18℃ | 16℃〜22℃ |  |  | 蛹 |  
    | 5月 | 15℃〜22℃ | 18℃〜25℃ |  | 蛹 | 蛹、活動 |  
    | 6月 | 19℃〜25℃ | 21℃〜27℃ | 蛹 | 蛹、活動 | 蛹、活動 |  
    | 7月 | 22℃〜28℃ | 25℃〜35℃ | 蛹、活動 | 蛹、活動 | 蛹、活動 |  
    | 8月 | 24℃〜31℃ | 25℃〜35℃ | 活動 | 蛹、活動 | 蛹、活動 |  
    | 9月 | 20℃〜27℃ | 21℃〜29℃ |  | 蛹、活動 | 蛹、活動 |  
    | 10月 | 15℃〜21℃ | 19℃〜25℃ |  |  | 蛹、活動 |  
    | 11月 | 10℃〜17℃ | 16℃〜22℃ |  |  | 活動(少数) |  
 注1;本土気温は、東京の値です。注2;気温数値は、参考です。平均最低気温〜平均最高気温となっています。
 
 表は、4月〜11月の気温変化と各個体群の蛹の存在する時期および成虫の活動時期を表しています。あくまで気温からの推測ですから、実際とは異なっているかもしれません。
 
 
        
          
            | 国産 カブトと本土ノコ
 | まず、国産カブトと本土ノコの関係ですが、明らかにズレがあります。 森の番人カブトムシと発生の時期をずらすことで、種の保存をしているようです。
 仮に本土ノコで、6月に羽化した個体が7月に活動開始したとしても、体の熟成するのが8月、その間にカブトムシと樹液場の覇権争い(■色)をすることになります。それから繁殖活動にはいるには時間的余裕が、ないと予想できます。
 ですから、羽化後に一斉に休眠にはいり、翌年6月に一斉に活動開始するのは、理にかなっているといえるでしょう。
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            | リュウキュウノコ種 | 蛹の存在時期、成虫の活動時期もかなり長いと、予想できます。しかも、本土に存在するカブトムシがいませんので、最盛期の7月〜8月は、樹液場の覇権争いも同種かまたは、ヒラタ系のクワガタぐらいになるのでしょう。本土ノコと比べるとその時期的な長さの違いが、歴然としています。 |  
 
        
          
            | 推測 | 上記により、表から時間を逆算することで、彼らの羽化時期における繁殖のタイムリミットが、わかってきます。蛹から羽化まで1ヶ月、羽化から活動開始まで1ヶ月、活動開始から繁殖可能になるまでを2〜3週間とすると、やはり7月までに羽化していれば、その年の繁殖が可能であるというのが、現実味を帯びてくるわけです。 
 8月以降の羽化となれば、高確率で休眠にはいると予想できます。繁殖行動にはいる準備期間が短いのと、気候の影響を受けやすい時期になるからです。皆さんご存知の台風の季節にはいっていくからです。南西諸島は、台風の影響など気象の変化が激しいのではないでしょうか。
 
 長い年月を経て、会得した彼らの生態系を考えるのも飼育の楽しみでしょうか。
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